しょうもないブログ

不定期でしょうもないことを書いていきます。

アンディーウォーホル

KOHHというラッパーをご存知であろうか。まぁ多分知ってる人は多いと思うが、そんな彼の「Dirt boys」という曲の中で、『アンディーウォーホルみたいな思考の人もいるよ、俺もそうだし、俺の友達もそう』という歌詞がある。

youtu.be

ここで疑問に思うのが、アンディーウォーホルみたいな思考とはどういうことだろうかということである。それを知るためには、アンディーウォーホルが何をした人間であるのか知る必要がある。

アンディーウォーホルはチェコスロバキア生まれの芸術家である。芸術といっても、フランスのルーヴル美術館で飾られているような価値を測り切れない一品物の作品のことを指すのではない。彼が主に専門にしたものはポップアートと呼ばれるものである。

だれもが毎日、大量生産の製品に囲まれ、それらを消費し、テレビや雑誌でその広告にさらされる生活を送っている。ポップアートの運動の中には、これら下世話な製品やサブカルチャー生活様式を批判する意図をこめたものがある

ポップアート - Wikipedia

つまりは、物質的飽和状態にある現代を風刺するものがポップアートというわけである。

まずポップアートの意味が理解できたところで、アンディーウォーホルの代表的作品を見てほしい。誰もが見たことあるはずである。

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https://www.artpedia.jp/campbells-soup-cans/

これは『キャンベルスープの缶』と呼ばれる作品である。と言わなくても知っているか。

これは一つの作品なのではなく、『キャンベルスープの缶』がたくさん飾られている写真である。どういうことかというと、この一つ一つの絵はシルクスクリーンという技法を用いて、大量生産された絵なのである。ちなみに今でもこの絵は世界中で取引されており、オシャレなカフェやレストランに行くと大体アンディーウォーホルのこれか、『マリリン・モンロー』が飾られている。アンディーウォーホルの作品はこれなのである。これすべてが彼の作品なのである。○○のカフェにある絵も、○○というレストランにある絵も、アンディーウォーホル自身の作品なのである。(詳しくはサンデーBモーニング版で調べてください。もはや哲学の範疇での話ですので、ここではざっくりにしておきます。)

よくわからない?わからなくても大丈夫である。飽和という状態を、大量生産されているもの(つまりは、食品の缶、映画で全世界に普及される俳優や女優)をコピーした絵を大量生産することで表すところに、ポップアートとしての最高級の風刺があるのである。

つまりは、簡単にいってしまえばアンチ大量生産ということであろうか。人が周りに流され、みな同じように生きることに反して、各個人が独立した個として存在することに意味があるということを逆説的に表そうとしたのだろう。それがアンディーウォーホルの思考であり、KOHHもそのとおり、普通の一般受けするようなアーティストではなく、特徴のあるアーティスト、人間であろうとする意志の表れなのではないであろうか。

そんなくだらないことを考える、GW前の午後9時ごろである。